『世界一受けたい授業』で紹介!べリングキャットがすごい
「海外からすごい先生来校」(7月23日放送)の際、べリングキャットのリーダー、エリオット・ヒギンズ氏が登場しました。イギリスからのリモート講義です。
べリングキャットは、イギリス人ジャーナリストのエリオット・ヒギンズさんが2014年に創設し、オランダにベースを置いています。独立したリサーチャーや調査員、市民ジャーナリスト、ボランティアなどで構成された調査報道グループです。
オープンソースの情報やSNSから、本当の情報とニセの情報(フェイクニュース)を選り分け、世間に公にする活動をしています。
番組中では、画像や動画を精査し、verification(実証、立証)していく手法が紹介されていました。撮影された場所が本当に投稿者が言っている通りの場所なのか、といったことが分かるとのこと。
他にも車載カメラに写り込んだ情報から国家の嘘を暴いたこともあるそう。「こんな普通に見られる映像から、これだけの真実を導き出せるんだ…!」と感動すら覚えます。
諜報機関などでもない、ほぼ一般市民のグループが国家機密やプロパガンダ、陰謀を暴くなんて、痛快ですよね!
Image by Karolina Grabowska from Pixabay
‘デジタルハンター’ヒギンズさんは、無職のパパで熱心なゲーマーだった
デジタル時代の新しいジャーナリストの形である’デジタルハンター’のヒギンズさんは、元々天才的な才能のある人だったのでしょうか?
実は、表面的にはかなり「普通の人」だったようです。
シリアで事件が起きた時、イギリスのレスターに住むヒギンズさんは経理事務の仕事を解雇され、家で幼い娘・エラちゃんの面倒を見るという生活を送っていました。趣味はゲームで、一日10時間以上オンラインでプレイすることもあったそうです。
それが中東からのニュースを見て疑問を持ち、現地からの動画などをチェックし始め、自分で情報を精査し分析し始めます。大手新聞の中東関係の記事に積極的にコメントしたり、ネット上で他の人たちと議論したりするうち、ブログを立ち上げ、べリングキャット創設へとつながっていったそう。
「ボクは事務職の人間で、報道や調査には素人だったけど、独学でスキルを学んだんだ」と本人が語っています。ついでに、シャイな人間でもあったそう。
ヒギンズさんの母親によれば、彼は「興味があることはとことん突き詰めるタイプ」だそうです。
コツコツと諦めずに情報を精査し続ける粘り強さも、彼の才能と言えるかもしれませんね!
べリングキャットの名前の由来は?
ネコ科の動物かな?と思ってしまう名前ですが、これは’belling the cat’から来ているのだそう。日本語に訳すと「猫の首に鈴(bell)をつける」ことです。
大きくて強い存在(猫)が自分勝手に振る舞わないよう、弱い存在(ネズミ)が首に鈴をつけて監視するという意味ですね。
今、日本で注目されている理由は?
フェイクニュースへの警戒が叫ばれていますが、それでも私たちにはなかなかニュースの背後、出来事の背景まで読みきれません。よほど興味がなければ、隠された情報にも気づかないでしょう。
相手が国家や権力者であっても屈せず、彼らにとっての不都合な真実を暴くべリングキャット。
日本人の我々にとっても、世界を知り、正しい道を歩む助けになるに違いありません。
公式サイト Belling Cat(英語・フランス語など)
もっと知りたい人には、本もあります。